「夜間避難所開設訓練」報告

災害はいつやってくるかわかりません。

6月22日(土)18:00から、志村第三小学校において、昨年に引き続き、清水地区7町会を中心に志村第三小学校PTA、おやじの会、その他防災関係団体が集合し、「“夜間”避難所開設訓練」が実施されました。

午後5時に震度6強の地震が発生したという想定のもと、「校庭テント設置」「体育館設営」をし、その後「本部指揮役員」「避難所受付受入班」「傷病者応急手当班」「仮設トイレ組立班」「発電機/照明等設置班」「備蓄倉庫管理班」「要配慮者・避難行動要支援者対応班」に分かれて、避難所開設の準備が進められました。
特に今回は、仮設トイレ用の水をプールから汲み出すなど実戦さながらの展開。避難所で一番問題になるのはトイレであることは、1月1日の能登半島の震災でも改めて確認されましたね。

筆者は、「要配慮者・避難行動要支援者対応班」に参加しましたが、この班では実際に何かを訓練するということではなく、震災を想定して問題点をみんなで話し合うということでした。
「要配慮者」とは、「高齢者、障害者、乳幼児その他特に配慮を要する者(妊婦、外国人等を含む)」で、このうち自ら避難することが困難で支援が必要な者を「避難行動要支援者」としています。
介護施設で働いている筆者としては、日頃から、災害が起きたときに、ここにいる車椅子を利用している高齢者のみなさんをどのように助ければよいのか悩んでいます。昼間、施設に来ているときにはスタッフが助けられたとしても、夜の時間帯など家にいるときは、ほとんどが独居の方々なのでどうしようもない。本来、避難行動要支援者に対しては、一人一人に具体的な個別計画が作成されるべきだが、板橋区では進んでいないという。「個人情報」という名目のもと、どこに避難行動要支援者が住んでいるかは、地域の民生委員など一部の者しか把握していない。ただ、民生委員自体も高齢者が多く、人数も多くはない。車椅子を押せるのは一人1台、手を引けるのは一人2人まで。
そんな悩みを、今回「要配慮者・避難行動要支援者対応班」のファシリテーターを務められた「NPO法人ボランティア・市民活動学資宥推進センターいたばし」の廣瀬さんが解決してくれた。「若い、元気な方々も避難所にたくさんくる。その方たちに、この住所にお年寄りがいる、障がい者がいるから、助けに行って!とお願いをするの。間をつなげばいいのよ」と説明があり、そうか!と合点したのでした。

避難所に来る方々は被災者ではありますが、同時に、動ける方にはスタッフになってもらわないといけませんね。ここでも、“共助”が求められます。ただ、そのためには、まず自分が助かること。

志村第三小学校には800人分の備蓄がされているそうです。ただ、体育館に寝泊まりできるのは200人分もありません。4月3日に発生した台湾花蓮市の地震では、翌日には避難所にテントが設置されたとの報道がありましたが、地震国日本では、まだまた避難所での雑魚寝が中心。能登の復興も進んでいないようで、経験が何も活かされていないように感じます。結局は、“自助”と“共助”、そしてその間にある“近助”が大切なのだと、改めて感じます。

防災訓練は定期的に実施しています。一人でも多くの皆さんに参加していただきたいと思います。概要等が決まりましたら、ホームページや回覧板でお知らせしますので、時間の都合がつくときには、ぜひご参加ください。

志村第三小学校、 “夜間”避難所開設訓練

避難行動要支援者の避難行動支援に関する取組指針の概要

昨年実施の様子

(広報部)